日本人人質殺害について

覚悟の無い人間が、
無計画に行動を起こすことは
無謀で、愚かな行為だ。
その結果、自分にその行為の代償が
降り掛かってしまうのは
必然であり、不可避であろう。
死というのはその中でも
最悪の結末ではあるが。
しかし、彼は最悪の結果を自分自身で受容する事によって
自己完結し、異国でその生涯を終えた。
だからこそ、ふと思う。
彼は馬鹿だ。
しかし人間的馬鹿だ。
思想に凝り固まり、視野が狭くなっている
狂信的な人間より
好奇心だけで危険地帯をうろつくような馬鹿こそ
救うべきだったのではないか。
自分の力量を過大評価し、
世の中を変えてみせるという幻想の元、
周囲を省みず、周囲に迷惑をかけるであろう事を
分っていながら行動を起こした
以前の三人組よりはきっと
随分人間的で、同情できる。
こういうケースに対してこそもっと政府は
救出に全力を挙げるべきではなかったか。
私は彼が恐縮しつつも恥ずかしそうに、
馬鹿元気な顔で記者会見に応じる姿を
見たかった。