フィリップ・K・ディック

中学から高校までの多感な時期に
ハヤカワSF文庫を貪る様に読んでいた。
最初は難解なストーリーの組み立ても
読み慣れると頭の中がぐるぐる回り
一時的にトリップできる。
言うなれば、読むドラッグであった。
映画の原作になっている物も多く
SF文学の入門編としては最適なものである。
私はその中でも「ユービック」が
最高に楽しめる作品だと思う。
時間の退行に対しての唯一の特効薬であるユービックと
消えた超能力者(テレパス)達。
それらが入り混じって繰り広げられる
長編スペクタクルである。
映画化され損ねている作品で
早くスクリーンで見たいと切に希望している。