寝た子を起こすな

中学生時代、同和問題に代表される人権問題を興味本位で
色々調べたのをふと思い出した。
我が祖国は分厚い保守地盤で固められた地方都市であるので
一切、同和教育や日系韓国人に関する教育は無く
そんな問題があることすら知らない人間が一杯いる。
実際には同和地区といわれる場所もあり、昭和50年代以前は
明らかな差別意識が根付いていた。
しかし近年、徐々に(特に若年層)そのような意識は薄れ
高校生くらいだとそんな感覚すらないのだ。
これは良いことなのか、悪いことなのか。
同和問題を扱う本には大抵「寝た子を起こすな」という
意識は厳然たる悪であり、一人一人が問題意識を持ち差別の無い世界を
作らなければいけないという論調で占められている。
しかし世の中でそういう歴史を知らない人間が大多数を占めていけば、
目で見える違いが無い、そんな差別なんかはなくなるのではないか。
差別を受けて来た歴史の先達は憤懣やるかたないだろうが
未来を見据える上ではその方が良いのではないかとも思う。
(一部の利権に伴って差別が必要悪であるとする意見もあるが)
上で述べた中国の日本に対する怒りも
結局は教育によって積み上げられた、いうならば
後付の怒りであり、
いまいち日本軍が戦時中に中国でなにをしたか
はっきりと教育されてない日本人とで、歴史認識に対する
大きなギャップがあって一方はヒステリック、他方は侮蔑の視線を送ってしまう
という着地点のない争いになってしまう。
何でもリセットできれば良いのだが。