拉致家族

彼等は祖国は日本ではなく、北朝鮮であり
結果として祖国を捨て、一生を衆人環視のもと
好奇の視線に晒される事になる。
それでも北朝鮮にいるよりは
物質的に豊かな日本に来たほうがいいのだろう。
戦後生れの私などはニ週間で残金10円でも
何かにつけ食料が供給され屋根のある部屋で
惰眠を貪ることが出来た経緯があり、
今までで本当の飢餓感を味わった事は無い。
政治的に抑圧を受けたことも無く
生活の上で死への恐怖に怯えた事も無い。
そんな彼等が今、日本へ来たらどういう感想を
持つのか。
死への恐怖というシビアな問題は解決されるだろう。
しかし人間は本来欲深い動物であり
きっと将来、拉致家族達は更なる生活の充実を
計り、自分達の精神的窮状をマスコミに対して
声高に訴えるだろう。
私はそうなった時、彼等を暖かい視線で見守る自信はない。
日本国民全体が受け入れる度量と覚悟があれば
いいのだろうが。